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ラスト・サムライ

ラスト サムライ [DVD]
もはや説明不要な映画の一つだろう。トム・クルーズが主役ではあるが、完璧に勢いで勝っているのが渡辺謙。っていうか、アメリカで大河ドラマの名作「独眼流正宗」が放送されたら最高に売れるんじゃないだろうか?とか思ったりもするんだが、それはまた別の話、か。

以下、ネタバレ・突っ込みシリーズ(?)につき、ご注意。

ハッキリ言えば、面白かった。ストーリーも良かった、と思う。シーンそれぞれの迫力もたまらなかったし、最後の合戦シーンなんかは身震いするほどの興奮した。そしてこの映画は基本的に「歴史考察」なんてリアルさを追求している訳ではないので、突っ込み所は随所にある。そもそも何でもありでもOKな世界だからだ。

ならどこから突っ込むのか?というと、それは私的には「ラブシーン」であった。

いや、他のハリウッド映画に比べたらラブシーンなんて無きにしも非ずという程度のものだが、あれはいらないと思った。具体的にはキスシーン。日本人の感覚として、メタメタ抵抗を感じる。だって、ですよ?夫の仇であるオールグレン大尉(トム)の世話を屈辱と感じていながら、最後にはチッスですよ?おかしいですって。あれなら出撃の時に暗い和室に一人でいるシーンだけでよかった。トムが姿を探してもどこにもいない。そんな雰囲気だけで十分伝わる訳で。

そうそう。そういう意味ではトムがキャラクターとして弱すぎる。っていうか、なんていうか運のいい色ボケである。いや、それは暴言だけど、侍道に足を踏み入れたのに煩悩がぜんぜん消え去っていない。特に最後のシーンでは一人で村に帰っちゃうところなんてちょっと「えーっ?」って感じだった。いや、ラスト的には考えられるんだけど、それをやってしまったことで、トムがちょっと軽いキャラクターで終わってしまった。残念である。

あと、真田広之のかぶっていた冑もありえないだろうと思った。かなりバイキングっぽくてあれは狙いすぎだ。っていうか、日本の鎧はもちろん重いが、日本刀の切れ味とスピードに対応するため機動性を確保する必要がある。そんな中、あんな巨大な角の冑では、馬に乗っているときに上下に揺れてジャマになってしまう。実際、直ぐに冑は落ちてしまっていた。ま、インパクトはあったけど、ダサダサ感が強くてちょっとありえないかもとか思った。

ついでに言えば、勝元が流暢に英語を話すのが「???」という感じもしなくもないが、あれはまぁストーリー上の無駄を省くためと言う点で納得できたりもするんで無視。ガトリングガンの登場も微妙に違和感があったりするんだけど、弓矢の使い方がちょっとかっこよかった(放物線を描く弧状攻撃)ので許そうとか思った。

っていうか、細かいことは置いておいて、「サムライ・チョー・カッチョヨイ!」と叫びながら戦いの美学を堪能できればいいかな?って感じ。