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スティール

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そんな一日だったが、映画も見た。ハイスピード・カー・アクション映画ってことらしい。特に冒頭の銀行強盗のシーンはスピーディーな展開にメリハリがついており、グッ!と引き込まれてしまう、かなり掴みはバッチリ!という感じの映画だ。

しかし、評価が難しいのはここから。面白かったといえば、面白かったんですが、終わってみると、ストーリーとキャラクターに重みが感じられないな、という印象。むしろ「カーアクションが作りたいが為の設定」という感じがしてしまったのだ。

そう、この映画を見て思ったんだが「カーアクション映画ってアタリ/ハズレが多いよな」と。ここで言っているのは「アクションそのもの」についての評価ではなく、「ストーリー」について、の方である。

「カーアクション」とタイトルに冠する映画は、既に数え上げるのが不可能なほど次々と新作が放映されている。年々そのアクションの質は高まっており、アクションだけに目を向けると逆に「ハズレ」は殆ど無い。だが、そこに重きを置き過ぎており、重要な要素でもあるストーリーやキャラクターがイマイチだな〜と思う事が結構あるのだ。そして、この映画もそんな感じがした。


詳細については、ネタバレで以下に記載。

ツッコミどころは沢山あった気がする。
たとえば、「なんで一般ピープルが大型トレーラーを片輪走行で走らせられるんだよ」とか「いくら犯人を追いかけているとはいえ、パトカーがそんなにジャンプするかよ?」とか「なんで都合よく運びやすそうなボストンバッグにお金が入っているんだよ!」とか。

一番の突っ込みどころは「時間の経過が短すぎる」事かもしれない。全体を通して約10日ぐらいしか経過していない。その間に行なわれる襲撃の数は4回。2日に1回のペースだ。にも拘らず、最初の1回目以降は「直前に計画を立てている」感じが否めず、むしろ「準備期間が足りな過ぎないか?」と真剣に捕らえざるを得ない。だが、実際はパラシュートを準備したり、大型トレーラーを準備したり、逃走用のルートを確保したりと、とにかくあっさりと進行する。飛行機でのすり替えなんて思い付きで計画を立てるなんて不可能だ。そんな大仕掛けがたった1〜2日で準備できるか!と、気になって仕方がない。

まぁ、これは気にし過ぎなのかもしれないが、もう一点大きく気になるのは「女性刑事」の必然性だった。単にお色気シーンが必要だから登場人物を女性刑事にしただけの様な気がする。特にサウナのシーンは明らかに「やり過ぎ」じゃないか?え、視聴者サービスですか。そうですか。

女性刑事と絡む話だが、最初に恋人の女性が出てきているんだが、この人に対する扱いも明らかに軽い。終わった時に「それでいいんかい!」と言いたくなるほど、軽く扱われている。いや、ハッキリ言う。「車の中に捨ててきていいんですか?」と。


なんかね。終わった時にスッキリしたというよりも、むしろその辺りの人物関係の設定の希薄さが気になってしまい、よかったね〜、ハッピーエンドだね〜、おめでと〜!という気分にはならなかったのだ。

なんか、そんな映画。スッキリしたかったのに、妙にモヤモヤしてしまいました。とさ。