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マトリックスリローデッド

マトリックス リローデッド 特別版 [DVD]
もはや今更語っても仕方がないと思うぐらい有名なマトリックス3部作の第2章、「リローデッド」。今まで「アクションはすごいけど内容は大したことない」的に聞いていたんですが、そんなことないと思う。やっぱりスゴイ、よ。

ただ前作との間に時間の経過がかなりあるらしく、その辺りがサラリと流されているのでいきなりの展開に面食らう部分が多く、消化不良気味になりやすい。そういう意味ではちょっと不親切だが、まぁその辺りは前作も「判らないところは後で考えてくれ!」的な所があったので、そういうもんだと思って無理矢理な辻褄合わせを楽しめればいいと思う。

さて、ココから先はちょっとネタバレな話。未見の人はご注意を。

前作では謎な存在だった「預言者」の素性も明らかになった。自分の考えをまとめるために書くが、ソフトウェアの世界とハードウェアの世界があると考える。ソフトウェアの世界が「マトリックス」。ハードウェアの世界が人間の都市、ザイオンのある「現実世界」。人間はそのどちらの世界にも行き来する事が出来る。機械は基本的にハードウェア側とソフトウェア側の世界に別々に住んでいる。よし。
マトリックスに支配されている人間は、体は現実世界でカプセル内に納められているが、意識はソフトウェアの世界に存在している。その支配から逃れ、現実世界とマトリックスの世界を行ったり着たりできる人がモーフィアスやネオをはじめとするザイオンの人たちという事になる。
スミスを初めとしたエージェントはマトリックス内における「ソフトウェアの世界」で生活する意思を持ったプログラムだ。いわゆる実態に当たる物はない。だから現実世界に顔を出すことは出来ない。マトリックスの中だけに存在する。
実は預言者もソフトウェアの人だった。つまり、実体のないプログラムだ。どうりでマトリックスの世界に精通していると思ったよ。だって、人間じゃないんだもん。リローデッドで初登場の「キーメーカー」もプログラムだ、と言っていた。そりゃ人間じゃない訳だ。
さてこのソフトウェアの世界「マトリックス」だが、現代におけるコンピュータと基本的に設計思想の異なるモノであると考えられる。そもそも人間の意識を直結できるという点でも現実の物とは隔世の感があるが、プログラムと呼ばれているものは全て「人工知能」であり、単独で機能している。それぞれのプログラムには役割があり、その役割に特化した能力をもっている。本来は各プログラムにはバージョンアップという概念はなく、バージョンアップは「新たなプログラムを導入し、古いプログラムを削除する」という事で行なわれる。しかし、削除されるべき古いプログラムの中には、「削除を拒み逃げ出した」ものもあるという事になる。また、今回のスミスは自らバージョンアップを行なったようだ。戦闘力に変化はないが、憑依能力から増殖能力にアップした。ま、ウイルスの概念だと考えればいいわけだ。
では、なぜネオは超人的な能力(どうやら空まで飛べるのはやっぱりネオだけみたいだし)を持っているのかといえば、先程述べたとおりプログラムは全て人工知能であり、その中身は人間を真似して作成された物らしい。プログラムが変更可能なものである限り、それを変える権限を持つものがいる。その権限は本来「創造主」だけが持つものだが、救世主には「ある意味を持って与えられる」ものらしい。その意味については今なお謎が多い部分もあるが、その権限によってネオは「他のプログラムに干渉をする事が出来る」ということだ。ちなみにプログラムというのは「人」だけではなく「万物の法則」もそれぞれプログラムとなっている。重力などの物理法則もそうだが、生命に関することもそうだ。前作は「物理法則をコントロールする方法」をネオは手に入れたが、今作では「生命をコントロールする方法」を手に入れている。次作では何を手に入れるんだろう。

とまぁ、勝手な想像の元、既に公開されている3作目の内容を全く考慮に入れずに、思いつくままに書いてみた。後で書き換えたくなるかもしれないが、それはそれ。これはこれ。
「これはどういう意味?」「どうやって説明されるの?」という謎が多いのがマトリックスの魅力であり、想像の余地があることが楽しみでもあると思う。