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猟奇的な彼女

猟奇的な彼女 [DVD]

ハッキリいって、私はこの作品が "好き" だ。まぁ、あんまり真面目にコメントする作品じゃないのかもしれないが、でもちょっとしてみたい気分だ。
一口で言ってしまえば「ラブ・コメ」なんだろう。でもコメディーだろうがなんだろうが、こういった「恋のプロセスを大事にする作品」が自分は好きなんだ、と思う。
そう、プロセスだ。重要なのは。最近のアメリカ映画や日本の映画はプロセスを通り越して強引にラブシーンに発展するという流れが多い気がする。それを「運命的な」とか「ロマンチックな」とか呼んだりする出会いな訳だが、出会いそのものよりも大切なのは、恋愛感情にまで発展するプロセスだと思う。
恋愛に発展するための常套手段として使われるのは、「三角関係のすれ違い」だの「突発的な事件」か何かだったりする。 見ているコチラはそんなストーリー展開にハラハラ・ドキドキして楽しんでいるワケだが、「で、2人にとって本当にハッピーエンドだったのか?」と思うことも少なくない。その後は本当に2人とも幸せ?と。「あぁ、やっぱりくっついちゃたのね」的な作品も多い。
この作品中にももちろん"彼女"という特異なキャラクターが巻き起こす、突発的な事件もあるし、ありえない!というストーリー展開もかなりある。だが、この作品はその恋愛における「プロセス」を大事に作っている気がする。韓国映画独特の安心感により構成されているので、2人の心理的な変化だけを素直に見ることが出来るのだ。
具体的に「安心感」を上げれば「お色気シーンはゼロ」だ。特に"彼女"と"キョヌ"の出会いのところなんかに至っては、今までのヒロインではありえないような登場の仕方をする。そしていわゆるラブシーンもない。
また、恋愛モノにありがちな「恋のライバル」も登場しない。だが、"彼女" の心の中には昔の彼氏の想い出が一杯詰まっており、その"心"そのものが2人の仲をなかなか近づけさせなくしているのだ。
また、2人の恋を邪魔する要素は無いのか?といえば、「家族」や「友人」そして「周りの人たち」というこれまた自分達の都合だけではどうにもならない要素があって、2人の恋の行方を少なからず妨害していく訳です。(むろん、"妨害"だけではないのは言うまでもない)
そして面白いと思ったのは、そんな猟奇的な "彼女" の無茶苦茶な行動を見ていて、呆れるというよりもちょっとした仕草や表情、周りの人たちとの不器用な付き合い方を少しづつ知っていく内に "彼女" の本当の気持ち、そして求めている物が判って来る。 彼が思っているのと同じように、見ているコチラも "彼女" というキャラクターがだんだんとかわいく思えてくるのだ。正直言ってヒロインである"彼女"(チョン・ジヒョン)にはやられました。かわいいです。弱いな〜<自分。
泣く・・・というシーンは無いかもしれない。この手のじれったい作品や文字通り猟奇的なキャラクターが合わない人もいると思う。でも、ラブコメディーとしてはライトに楽しめる作品だったと思います。