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キャッチミー・イフユーキャン

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン [DVD]

昨日見た。レオナルド・ディカプリオトム・ハンクスが主演している、本当にあった「世界一(?)の小切手詐欺」のお話だ。本当にあったお話をベースにしているというだけでもすごいのだが、なにより "詐欺師にあこがれて" しまった。

"詐欺" はもちろん悪いこと、犯罪だ。なのに映画の世界では「詐欺」をテーマとした物が数多く作られている。有名どころでは「スティング」が上げられると思うが、これと明らかに違うのは「悪い奴はだまされて当然」的な表現が基本的にないことだ。「悪い奴をやっつける為の詐欺」であるならば、観客も詐欺という本来は悪いハズの行為を「対抗手段の一つ」という形で見ることが出来、そして見終わった後には「うまくやったね!」と共感すら覚える。

「キャッチミー・・・」では、詐欺という行為そのものを美化こそしている物の、基本的に「犯罪である」というスタンスを貫いている。だから、追われる身であるフランクと、追う立場のFBIカールが存在する。悪者は「詐欺師=フランク」なのだ。であるにも関わらず「詐欺師ってカッコイイ」と思わせる何かがこの作品にはあり、そこによさがあると思う。

詐欺師となったフランクにも過去と事情があり、そして家族に対する愛情もある。犯罪を犯しているという自覚もある一方で、それを止められない自分がいる。少年であるが故の寂しさも垣間見せ、少年であるが故の大胆な行動も魅力の一つだ。ディカプリオはその辺りをさすがだな〜と魅せてくれる。

FBIのカールにも意地がある。詐欺師に対する真面目な信念を持って対処しているのだが、フランクを追う内にその少しづつ明らかになっていくフランクの内面に心境の変化が訪れる。その僅かな変化の過程も楽しめた。


冒頭でも述べたが、この映画を見終わったときには「詐欺師になりたい」と思った。それは「犯罪としての詐欺を犯したい」という気持ちではなく、「詐欺師ってカッコイイじゃないか。相手を喜ばせる事に関しては。見習いたい部分もあるな」と。日本には「ウソも方便」という言葉がある。時と場合に応じては、ウソだって悪いことではない、という意味だと思う。相手が喜ぶのであれば、お世辞の一つ "格好良く" いえる様になれたらいいのにな、って思いました。

参考: